5年間のセイバーメトリクス(投手データ編)/鳥越規央の野球視角

2018年1月17日更新

私がセイバーメトリクスを専攻して10年が過ぎようとしています。その間、技術革新などで取得できるデータ量も増え、それに伴い様々な指標が提案されてきました。

この10年のNPBにおける1試合平均得点の推移は以下のようになります。





ご存知のように、2011年と2012年はいわゆる「反発係数が規格を下回る統一球」が導入されたシーズンで、明らかに投高打低の様相を呈していました。2011年にはダルビッシュ有がシーズンWHIP0.828、FIP1.564という未曾有の記録を作っています。2013年以降は、規格範囲内の反発係数の統一球によって試合が行われており、1試合平均得点は4点あたりを推移している状況です。つまり、2011〜2012年のプロ野球のデータと2013年以降とは別物として取り扱うのが賢明と考えるのです。

そこで、2013年以降のデータを紐解いて、5年分の選手成績のランキングを見ていきます。今回は投手編をお送りします。

その前に、この10年間のチームの1試合平均失点の推移を見てみましょう。





この10年、セ・リーグでは巨人、パ・リーグではソフトバンクが安定した投手陣を擁し失点を抑えている様子が伺えます。

では、5年間のデータによる投手指標のランキングを見ていきましょう。

勝利



セーブ



ホールド



奪三振



次は5年間で220イニング以上投球している投手に限定してのランキングです。

防御率  (自責点)/(投球回数)×9



FIP (13×被本塁打+3×与四死球 - 2×奪三振)/(投球回数)+補正値



なお、ここでの補正値は5年分のデータから算出された2.91を使用しています。

WHIP (被安打+与四死球)/(投球回数)



K/9 (奪三振)/(投球回数)×9



K/BB  (奪三振)/(与四球)



このコーナーのデータから、サファテの超人ぶりが如実に表れています。また則本、菅野、マイコラスのこの5年の安定ぶりも見てとれます。

次はあまり触れられたくないであろう、このようなランキングをご紹介します。

敗北



上記の投手は、チーム内で年間を通じてしっかりローテーションを任されている、いわば主力投手ではありますが、打線の援護に恵まれずといった側面もあり負けを積み重ねてきたと言えるでしょう。5年間の最多勝利の則本ですが、負けも多く記録しています。

被本塁打



ホームランパークファクター(HRPF)において、1以上の本拠地でプレーする投手が上位にランキングされています。ロッテ時代から被本塁打の多さが指摘されていた成瀬ですが、HRPFの低い千葉から、わざわざ神宮を本拠地にするヤクルトに移籍し、2年連続で2桁被本塁打を記録しています。2017年は16 2/3イニングの登板でしたので、実質4年の実働ですが、堂々8位にランクインです。そう考えるとHRPF 0.8のナゴヤドームを本拠地にする大野雄大は、、、

与四球



藤浪、メッセンジャーの阪神勢と菊池が上位にいます。3投手とも奪三振も多いですが、荒れ球と呼ばれるタイプの投手と言えるでしょう。

与死球



1位の牧田は2017年こそ3と少なかったですが、2013年から9、12、11、10と毎年与死球ランキングの上位常連者でした。これはメジャー移籍を意識しての改善だったと言えるのでしょうか。

暴投



ボーク



唐川は2017年6月24日のオリックス戦で2回ボークの判定を受けています。また2016年5月22日のオリックス戦でも2回ボークの判定。ちなみにいずれの試合も3塁球審は白井一行。白井審判には唐川の投球フォームが一時停止されていないように見えることが多いのでしょうか。

岡田は2017年だけで4回のボークを記録。7月5日の巨人戦では、無死1塁で内野がバントシフトを敷き、ファーストが1塁を外しているにもかかわらず、牽制球を投げようとしてボークをとられるということも。

ここまで、5年間のデータで投手成績を振り返ってきました。記録の面から見てこの5年でのNPB投手部門のMVPは、2017年のパ・リーグMVPにも輝いたサファテと言えるのではないでしょうか。

次回は打者データ編をお届けします。

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