打者の「得点力」を測るセイバーメトリクス/鳥越規央の野球視角

2017年4月14日更新

以下のランキングは2016年シーズンの「得点」ランキングです。



なお、山田哲人は2014年から3年連続で「得点王」に輝いています。 ご存知だとは思いますが、野球の記録における「得点」とは「ホームベースを踏んだ回数」のことです。ホームランを打てば必ず自分でホームベースを踏めますので、本塁打の多い打者は自然と得点は多くなります(ホームランを打っても自分でホームベースを踏めなかった1969年近鉄のジムタイルの例もありますが)。ランキングに名を連ねているのは、ホームランバッター、そして各チームで上位打線に位置している打者であります。

なのでこの「得点」という記録の多さと、「打撃による得点力」には大きな相関がなさそうなことは皆さんもお気付きのことでしょう。 では、打撃による得点力を示す指標について考えてみましょう。セイバーメトリクスでは、過去のデータより「プレーの得点価値」を計算しています。その定義は、【「プレー時に入った得点」+「プレー後の得点期待値」−「プレー前の得点期待値」】です。過去のプレーデータをもとに算出された「プレーの得点価値」は以下のようになります。

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単打   0.44
二塁打  0.78
三塁打  1.13
本塁打  1.42
失策出塁 0.48
四球   0.29
死球   0.32
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凡打  -0.26
併殺打 -0.77
三振  -0.25
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盗塁  0.17
盗塁刺 -0.40
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この数値をもとに、2016年の打撃成績にこの数値をかけて、全部足しあわせたオリジナル指標「選手が打撃によって創出した得点価値」を計算してみました。



この指標によれば2016年「攻撃力による得点王」は筒香ということになります。なお、シーズン始まって間もないですが2017年のランキングは以下の通りです。


(2017年4月12日現在)

今年の各チームのオーダーで特徴的なのは、2番打者の顔ぶれです。楽天は得点力ランクパ・リーグ2位のペゲーロを開幕から2番に据えることによって、チーム得点力を増加させる効果をあげています。またセ・リーグ7位のDeNA梶谷も2番打者を務めています。さらには、登録抹消されましたが、昨年首位打者の角中も2番でしたし、大谷も4月6日の試合で2番打者を務めています。

近年のプロ野球におけるオーダーの組み方の変遷において、2番打者の役割も変わってきており、「送る2番」から「繋ぐ2番」、さらには「決める2番」と進化していってます。セイーバメトリクスによる打撃理論の反映と言えるでしょうか。

★spモード有料版では「犠打企図数の変化」を後日掲載予定です。

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