かつての賑わいの面影残る、ナゴヤ球場と球場輸送/ファーム野球鉄旅

2017年5月9日更新

「10.8決戦」。1994年、中日と巨人がシーズン最終戦でリーグ優勝をかけた伝説の試合。その舞台ナゴヤ球場は1997年のナゴヤドーム開設以後、中日の二軍球場として使用されている。

名古屋の玄関口、名古屋駅からはナゴヤ球場の方が近い。最寄り駅はJR東海道線尾頭橋駅と名鉄名古屋本線山王駅。どちらも名古屋駅(名鉄は名鉄名古屋駅)から豊橋方面に「普通」でひと駅。日中はそれぞれ毎時4本程度の本数。

駅からの距離は尾頭橋駅の方がやや近く徒歩7〜8分、山王駅は10分程度。この日(4月28日)筆者は山王駅から歩いてみた。駅のホームの豊橋側に階段らしきものがあるが、これはかつて「グラウンド・ゲート」と呼ばれていた臨時改札口の跡。同駅は2005年1月のダイヤ改正まで「ナゴヤ球場前」駅と称していた。今もナゴヤ球場は存在するが、一軍の試合を目指してくる人に誤解を与えないように改称したのだろうか。

名鉄山王駅

球場とは反対側の改札を出ると、すぐに左折して線路のガードを潜る。ガードを抜けるとすぐに線路沿いの道がある。今回はその道を歩いていく。まもなく試合が始まる時間であるが、平日の昼間ということもあって、人通りはほとんどない。

しばらく歩くと、ドラゴンズのロゴマークが掲げられた屋内練習場が見えてきた。かつて一軍球場だった時代は、そのあたりに入場口へのスロープがあったと記憶する。

現在の球場正門に到着。1998年から2010年頃にかけて、何度かの改修を重ねてすっかり小さくなったナゴヤ球場。しかし、周囲の住宅や商店は変わらない。正門近くには中日ファンには有名なラーメン店や喫茶店が並ぶ。

この日はオリックス戦。この数日後に一軍昇格する高橋周平への拍手や歓声が最も大きかった。期待度の高さと、二軍で燻る姿への叱咤だろうか。試合結果はNPBのサイト等でご確認いただくとして、もうひとつナゴヤ球場にまつわる場所を紹介する。それは「10.8決戦」の日まで営業していた「ナゴヤ球場正門前」駅だ。

尾頭橋駅方向へ向かう途中に・・・

来た道を戻ると、新幹線のガードが見える。山王駅には手前の道を左へ。尾頭橋駅には直進するのだが、この場所こそがかつてのJR(臨)ナゴヤ球場正門前駅。星野仙一監督が就任(第1期)、落合博満が中日へ移籍してきた1987年シーズン途中から、1994年の最終戦まで試合のある日に営業された。路線は通称・名古屋港線という東海道本線の貨物線で、通常は旅客列車の走行はなく、高山本線や紀勢本線へ向かう特急、急行列車の車両が使用されたため、鉄道ファンも楽しめる路線だっただろう。

この位置に仮設ホームが設置された

今も残る新幹線ガード下に描かれた中日の選手たち

先に記した山王駅のグラウンド・ゲート(当時はナゴヤ球場前駅)もかつての姿を残している。しかし、今後この改札口が復活することはないだろう。

駅ホームに残るグラウンド・ゲート

臨時改札口跡

臨時きっぷ売場跡

老朽化が進めばいずれ取り壊されるかもしれない。一軍本拠地として賑わっていた時代を思い出すことが出来る姿、いつまでも残って欲しいのだが。ちなみに球場内にもかつての外野スタンドの土台など、いくつか遺構が残っている。試合だけではなく、球場観戦の際はそんなところも見ていただきたい。

当時の駅名看板(2005年1月撮影)

野球鉄旅人/梶田陽三

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