マキタスポーツ、プチ鹿島、サンキュータツオが語る、助っ人外国人選手論

2017年5月8日更新

(TBSラジオ「東京ポッド許可局」<出演:マキタスポーツ、プチ鹿島、サンキュータツオ>5月1日放送分より)

サンキュータツオ(以下、タ):野球を見てね、外国人選手の話、よくするでしょう。思い出の助っ人外国人とか。

プチ鹿島(以下、鹿):最近、助っ人なんて言葉自体、使わないですもんね。コンビニぐらいしか。

マキタスポーツ(以下、マ):めちゃめちゃ鎖国的な発想だよね、助っ人って。

タ:確かにそうか。鹿島さんは、クロマティーとか呂明賜の話、ずっとしてきましたけど、やっぱその2人が一番?

鹿:違います、デービスです。

マ:近鉄の?

鹿:中日にいたんですよ。長野は巨人戦しか放送してなくて、父親も巨人ファン。王選手が756号打つか打たないかという時期だったので、巨人を応援し始めてたんです。だけど、隣に大沢さんという方が住んでて、大沢さんが熱狂的な中日ファンなんです。トラックの運転をされてる方で野球もうまくて、野球ってなると僕はもう大沢のおじちゃんのとこ遊びに行ってたのね。中日戦ってなると「おいでおいで」って、大沢さんの家で野球を見るの。ブッチャーを紹介してくれたのも大沢さんで。

タ:紹介って!別に知り合いなわけじゃないでしょ!

鹿:「ほら、おでこに傷多いだろう?」って。大沢さんの家でみた中日戦で、デービスがいまだにインパクトが残ってます。とにかく、足が速いんです。僕のイメージでは、ちょこんとヒットを打って、右中間とか左中間割るじゃないですが。二塁打?三塁打かな?と思ったら、ランニングホームランになっちゃった。

2人:うええええ!

鹿:デービスがちょこんと当てたらホームまで返ってくる。ものすごく恐怖。

マ:当時の球場なんて、そんなに広くないよ!

鹿:ナゴヤ球場ですからね。77年のナゴヤ球場、そんなに広くないです。それがランニングホームランですから。アメリカでも実績のある、足が速くて、すごいヒット打った選手で。中日に来たっていうのが話題だったんです。僕はデービス、未だに怖いね。

タ:巨人寄りじゃねぇか!

鹿:王選手が好きだから、王選手がよくテーピングしてたでしょ。僕もテーピングしてたんです。

タ:王かぶれだ!

鹿:そうだよ。それで大沢さん家いって、「また王さんのマネだな!」なんて言われたり。王さんをいじめるな!的に野球を見てたから、軽々と塁を駆け巡ってくるデービスは怖くてしょうがなかった。足が速いんだから!ほんとに!

タ:ホームラン打たれるより怖いね。

鹿:ブッチャーにしろ、デービスにしろ、大沢のおじちゃんが教えてくれたんだけど、あのとき見た外国人選手のインパクトって、デカいですよ。



「ベースボールとは違う」

マ:当時の助っ人外国人って、プロレス的なニオイしたじゃん。

タ:あった。ホーナーね。

マ:ボブ・ホーナーね。赤鬼。

タ:ホーナーが、ワニの肉食ってるとかって噂になってなかった?

鹿:ワニの肉は、パリッシュです。伝統的にヤクルトは、スカウティングがすごい。

マ:ホーナー来たときビックリしたよ。すぐホームラン打っちゃったんだから。

タ:当たればホームランじゃなかった?

鹿:あれは、86年くらいかな…ランディバースがいたんですね。僕はランディって呼んでたんですけど。

タ:なんで長嶋的ポジションなの。王か長嶋かハッキリしてよ。

鹿:ランディがずっと三冠王とってて、みんなランディバースすげぇすげぇ!だったけど、ホーナーが来てホームランぽんぽん打ったら、あのバースが田舎者に見えたんですよ。

タ:かすんで見えましたよね。

鹿:なんでヤクルトに来たかっていうのもFA交渉がこじれて、もう契約がうまくいかなくて、だったら、その間隙を突いてヤクルトが。バブルの幕開けで、カネ持ってましたから、ヤクルトも。で、お誘いかけたらうっかり来ちゃった。

マ:日本の野球の悪口言って帰っちゃったじゃん。「ベースボールとは違う」って。

タ:当時の外国人のトップって、バースだと思ってたから。まだこんな人いるんだ!って。

マ:オレの親父も言ってた。「バースはバッティングだけだ。走れないから!」って。

タ:劣ってるところがあっても、1つの武器が研ぎ澄まされてるから、1軍で使われてるんだよね。

鹿:ホーナーは、アメリカでもドラフト1位。ホンモノ中のホンモノなんです。だからあの時に見れたのは、とんでもない瞬間を目にしたってこと。

マ:でも、変態教師みたいな顔してたけどね。

鹿:そうそうそうそう。それがリアルだった。バースって、いかにも打つぞ!って感じだったけど、ホーナーは、スーツ着させればビジネスマンみたいな感じ。

タ:ヤンキースとか、メジャーどころのチームの選手だったの?

ブーマーより期待されてたバンプ

マ:話、横取りしていい?ヤンキースって言葉にときめいちゃった。ヤンキースって言ったらね。ロイ・ホワイトですよ。

タ:ロイ・ホワイト?記憶にないわ。

マ:スイッチヒッターで、巨人に来た、いぶし銀のバッター。

タ:70年代?

鹿:80年代はじめです。トマソンと一緒にきた。

タ:(笑)年表頭に入ってるねぇ!

鹿:当時、巨人は外国人とるならヤンキースからだったよね。

マ:子供心に、山梨なんか巨人戦しかやってないからさ。巨人が自動的に好きだった。だから、巨人が球界の名手であり、大リーグの名手であるヤンキースとつながってるんだ!っていう、大リーグからお墨付きをもらったような気分がありましたよ。

鹿:あとね、阪急のバンプ。

タ:阪急って言ったらブーマーじゃないの?

鹿:…タツオ、さすがだ。よく言ってくれた。ブーマーとセットで来たんです。だけどバンプの方が期待されたんです。お給料よかったんです。これも、足が速いんです。

タ:(笑)

鹿:どれくらい速いか。阪急西宮スタジアムで、客入らなかったでしょ?客寄せとして、バンプと馬を競争させるっていう…

マ&タ:(笑)

マ:レスラーがバスひいたやつと一緒じゃん!

タ:イベントだったんだね。

鹿:あと当時、「日本のプロ野球なんてやってられるか!お金の面で折り合いつけたけど、俺はここに染まるつもりねぇよ」って見下す感じの外国人選手が多かった。バンプもプライドが高くて、すぐ帰っちゃったんです。当時のヤクルトのスカウトの方が出した本を読むと、ヤクルトのスカウティングがなぜ良いか、アメリカの球場広いじゃないですか。球も速いじゃないですか。で、ホームランかな?と思うと、直前でおじぎしちゃうバッターがいるんですが、そういう選手を日本に連れてくると、どんどんスタンドインするんですよ。

タ:そういう人呼ぶんだ。

鹿:あと、奥さんを調査するんですって。奥さんが「なんでこんなところに住まないといけないのよ!」っていう人は、どんなに実績があっても、すぐ帰っちゃうって。



汚ねぇ!って帰っちゃった!

マ:ヤクルトっていうとね、マルカーノ。阪急にもいたんだけどね。小っちゃくてメガネかけてて。日本人なのか何なのかよくわかんなかった。丸川だと思ってて。「丸川の」。顔見ても、日本人だけど、構え方は外国人っぽいなぁ…?って思ってて。

鹿:阪急ブレーブスがすごく強かったときがあるんです。昭和50年代前半。そのときの二塁手。そこが、そつがない阪急ブレーブスの強さだったんですよね。外国人選手を四番じゃなくてセカンドで使ってるわ!って。

マ:四番で来るのが助っ人じゃん。

タ:大洋でいうと、ポンセだから、ミヤーンとかもいましたけど。

2人:あぁ!ミヤーン!

タ:ポンセ、ローズっていう四番打者がいたから。いったらレイノルズとかっていうのは…

マ:大洋といったらシピンでしょ!

鹿:ライオン丸!

タ:あぁいう足速い選手って…

鹿:ブラックス!

タ:ブラックス!いい選手でしたよ。

鹿:「もしドラ」で前田敦子がさ、マネージャーなんだけどバッターボックスに立つシーンがあって。そのときの構えが、ブラックスそっくりだったんです!

タ:(笑)

鹿:いい構えなんですよ!

マ:サンチェはどうですか?

鹿:マキタさんね。さっきのマルカーノ、阪急・ヤクルトで選手生活終えたんですよ。いい選手だったなって。サンチェって魔人みたいな選手が、巨人のストッパーで来たんです。言葉が通じなさ過ぎて、サンチェの通訳で、マルカーノが来たんです!

マ:そうだそうだ!!!!!

鹿:オレは嬉しかった。

マ:サンチェって、水虫だったんだよ、水虫。それで投げれなくなっちゃったって。

タ:昔の助っ人外国人って、そういう余計なエピソードいっぱいあるよね。

鹿:そうだよ、ゴキブリ出たから帰っちゃったやつもいたんだから。藤井寺球場で、汚ねぇ!って帰っちゃった!マネーっていったかな…?近鉄もたまにやらかすんです。

タ:ブライアント!あれはすごかった!

鹿:オグリビーとか!肩噛んで!

タ:一番大石の時代じゃない?

鹿:あと、リベラとかデービスとか。デービスなんて、東尾殴っただけの印象ですから。

タ:中日のゲーリー。

鹿:郭源治とかいたから!

マ:あの、アンパンマンみたいな顔の人は?

鹿:宣銅烈。大統領みたいな、いい顔してた!

タ:柳家小さんみたいな顔してた。

マ:覇気のある柳家小さん!

鹿:(笑)

独立リーグに来た大物

鹿:マニー・ラミレス。現役を引退したはずなのが、ひょっこりと日本の独立リーグに。夢のある話になって。あんなの全盛期なんて来れないから。こないだ、なんでそもそもラミレス来たかって知ってます?日本の野球が好きで、お金はいいからって。そういう気持ちもあったと思うんですが、この間、野球ライターの方のルポを見てたら、車が大好きなんですよね。車の部品がどうしても足りない…と。

タ:嘘でしょ…

鹿:高知にいくと、ラミレスの欲しい車の部品がたくさんあるんですって。それを買い出しに来てるって…。で、ラミレスはどうやら、もう部品の買い付けは終わったと。終わったから、もうこないだ、出場したと思ったら、次の日来ないっていうドタキャンがあったじゃないですか…。でもね、500本600本打った人が、そんな理由だとはいえ、日本に来てやってる。今目の前で、ヒット打ってるっていうのを見るのは、すごく価値のあること。ルポはそれで締めていて、確かにそうです。

タ:なんか、野球選手ってそもそも、僕らにとたら、全然違う人間を見る、みたいな。

鹿:子供の頃の野球選手って、いい意味で、アスリートじゃないんです。野球選手っていうジャンルなんです。タバコ吸ってましたしね。ホームラン打ったら、ベンチ裏で一服してるんです。

タ:(笑)そんなスポーツねぇよ!

鹿:で、終わったら飲みに行くみたいなね。

提供元:TBSラジオ「東京ポッド許可局」(毎週月曜日深夜24時から放送中)

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